上養沢からの登り、日の出山の展望、青梅のワイン、谷津にソバがうれしかった三室山ハイキング(2月22日)

 このところ、何故か御岳山・日の出山域を経由していることが多い。 これぞまさに「ご縁に引かれる」ということだろう。 そんな時は、流れに逆らわず導かれるまま進めば思わぬ面白いことに出会えるものだ。

 

 上養沢行きのバスは所謂ミニバス、増便を出してくれても2台に分乗だろうと思っていたら、なんと大型バスを出してくれ、しかも貸切。 さすが西東京バス、いつも親切丁寧太っ腹な対応に感謝。 これだから、ついつい武蔵五日市発のバスを選びたくなる。

 

 終点・上養沢BSのトイレは一つ、約20分後の登山口には2つありとお伝えすれば、即座に「私は後で大丈夫」「では、私はお先に」と即位即妙の素早い行動が有難い。


 透き通った流れ青き淵に未だ魚影こそ浮かばぬものの、水温み沢音明るく春の気配。アブラチャンの蕾が膨らみ、キヨスミイトゴケが光に透ける御簾のように優雅に揺れる。上養沢鍾乳洞跡は既に入口も分からず、猿が散らかした沢山の柚子の実が香っていた。

 

 この登山路は階段続きで足元は確かだが、スキー明けの身の太腿には実にこたえる。出来るだけ腿を上げずに摺り足小股で歩けるルートを取り、後続にトレースしていただく。ヒガラ、ヤマガラ、コゲラの鳴声を聞きながら眺めの良い金毘羅尾根に出てホッと一息。1月に下った段差の微妙な長い階段を登り、日の出山山頂へ。 春の陽気で山頂も穏やか、360℃の展望を楽しみ、久し振りに30分の昼休憩もとれ、全員で集合写真に納まった。


 日の出山から梅郷への最初の下りは慎重に、続くなだらかな稜線から高峰は巻き道を、電波塔を仰ぎ梅の木峠へ出ると、脚下深く落ち込み目前に広がる眺めが実に心地よい。 それにしても麻生山は見る方向により何と山容が違うことか。 日の出山から眺める麻生山とここからの眺めでは、同じ山とは思えない。

 

 程なく三室(みむろ・みつむろ)山山頂に到着。 青梅の里を見守る展望は神の視点か。三室山と言えば、奈良の三室山、大神(みわ)神社のご神体・御諸山が思い浮かぶが、同じく大物主神(大国主命の和魂で蛇神・龍神)を祀る、巳が三輪にとぐろを巻いたお姿の山であり、土地では「丸ドッケ(=尖がり)」とも呼ばれている。

 

 

 やや下った見晴らしの良い場所に、大物主神を祀る金毘羅(琴平)神社がご鎮座。ご由緒には「繭の天敵であるネズミを退治する猫に感謝し、招き猫を奉納するようになったと伝えられる」とあったが、そもそも大神神社に大物主命をお祀りするよう命ぜられたのが大田田根子/意富多多泥古命(三輪氏、賀茂氏の祖先)であり、「おおたたねこ」から猫が登場したのではないか等と想像を膨らませる。(すみません、個人的嗜好から横道に逸れました。)


 神社下の参道を下るもよし、元の山道に戻り行くもよしで、梅郷北コース・南コース分岐は南に進路を取る。 足元は根っこのトラップ多く、お喋りと余所見で不注意になるのは禁物。 それで下見時には見逃してしまっていた巨木・山桜を、先行班より大声と指差しで教えて頂き、めでたく仰ぎ見、多数に分岐し大きく広がる姿に圧倒された。 いつか見事な満開の時に訪れてみたい。

 

 金毘羅神社の一之鳥居登山口に到着、梅郷へ向かう道沿いには福寿草が黄金色に咲き揃い、半透明の蝋梅の花々の香りに包まれて一服の休憩。 2009年、ウメ輪紋(プラムポックス)ウイルス発見、2014年までに防除の為の全伐採後、2018年にようやく梅まつりが再開されたとのことで、着々と提灯やステージ等の準備がされていた。 

 

 

 有志で集った蕎麦処「谷津」では、常連の紳士から途中の農協で入手の地元ワインがふるまわれまろやかな味が身に沁み渡る。 十割・八割の手打ち蕎麦、煮物の盛り合せ、ポテトサラダの小鉢、その上お土産に全員分のスポンジケーキ(卵とバターの香りの優しい味)まで用意して頂き、にこにこ微笑まれる小柄な店主ご夫妻が、本当に福の神様のようで有難さに思わず手を合わせてしまう。


こうしてお蕎麦にお酒(勿論飲まない人も)で打上げも回を追う毎に、スタッフ・参加者打ち解けあっていい雰囲気が生まれ、仲間と成りていくは嬉しい限り。 お互い 『後どれぐらい、幾つまで山に行けるかな?』という年齢、これからも共に楽しく安全に山に自然に親しむ企画を考えていきたい。(おわり)

報告:廣川 妙子

青梅ワインで「谷津(やつ)」でカンパ~イ

 

青梅ワインで「谷津(やつ)」でカンパ~イ

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