雪がなかった陣馬山、でも堂所山から山下屋バリエーションを下った!

           2019年2月12日(火)

 このハイキングは、毎年2月初~中旬に景信山~堂所山~底沢峠~陣馬高原下バス停のコースで実施してきたものだ。年に一度は雪上歩行を目的としたハイキングを実施して、軽アイゼン講習も実施して、雪とたわむれていただこうと。ところが残念ながらというか当然というか、いかんせん雪が少ない。毎年、景信山の西斜面、底沢峠から少し下った吹き溜まりでいささか欲求不満の雪上ハイキングとなっていた。

 

 

今年の企画は、昨年2月に生藤山から陣馬山に歩こうと考えて下見も行ったのだが、生藤山から連行峰に向かう最初の階段に積雪があると、雪慣れしてない方には安全ではないと幹事としては決断できなかった。それで陣馬山単独としたのだ。陣馬山から奈良子峠に向かう最初の20分ほどは比較的雪が積もりやすいのだ。それでやっと今年の話になる。1月から雪が少ない場合の対応を考えた。苦肉の策ではないが、積雪歩行ができない場合のサプライズを考えた。一つは昨年の暮れから始めた「山下屋のあまざけ」を陣馬山の山頂で振る舞うこと、もう一つは底沢峠から下るのを止めて、堂所山まで行き、山下屋のご主人等が拓いた山下屋コースを下ることである。

陣馬新道を登る一行

陣馬新道を登る廣川班


山下屋コースは山と高原地図等には記載のない、あるいは詳細地図でも紫色のいわゆるバリエーションコースである。25日と7日の下見を実施して、スタッフが迷うことがないように、「山笑(やまにこ)会」マークをところどころに取り付けてきた。念のために書いておくが、このコースに危険なところはない。この企画は毎年、新聞掲載等もしないし、積極的に勧誘することもないので、毎年参加者は少な目だ。今年の12日の本番には21名の応募があり、19名参加して下さった。FITHPに掲載するだけと、12月のふれあいでチラシを配布しただけで、にこにこハイキングに初参加の方が2~3名おられた。ありがたいことだ。

 

 

陣馬山頂で昼食を食べること、14時半頃に陣馬高原下バス停に到着することを考慮して、高尾駅発9:34のバスに乗ることにした。9:34発のバスはわれわれのご一行で埋まった。前日、facebookで山下屋のご主人に確認したところではやはり積雪はない。陣馬高原下まで雪はところどころにちらほらだった。途中、バスは恩方中学校を通過するのだが、この学校将棋の羽生さんの出身校で学校の塀に「国民栄誉賞受賞」を祝う巨大な横断幕が掲げてあり、周りの女性たちに教えるとみなさん喜んでいた。36分乗ったバス終点で下車して、開校式。ここにはトイレがあるのだが、冬は毎年凍って使用不能になるようなので要注意である。

陣馬新道を登る稲葉班

昼食で山下屋のあまざけを振舞った


登り始めて20分ほどで山道は左に大きく曲がり、道標がある。最初のポイントだ。ここで休憩をした。体調はいかがですか、と聞いても全員何もいわない。登り始めて40分ほどは、陣馬新道はやや急な登りが続く。5分休憩で歩き始める。

 

 

右に折れて少し歩くと和田峠から来る道と合流する。このポイントは春になるとニリンソウなどが群生して美しい。登山道からわずか1時間程度の登りだが、ここは胸突き八丁で少しきつい所だ。陣馬山頂には連休後にもかかわらずハイカーが多かった。予定時間通りにつき、ガスバーナー、コッヘルを出してあまざけの準備を始めた。下見の時に山下屋で購入し、わざわざ瓶のまま運んだのである。「あまざけ」は夏の季語だそうで「冷やして飲むものだ」と山下屋3代目はいうのだが調べてみると冬には温めるのが一般的なようだ。小さめの紙コップに入れてみなさんに振る舞った。

稲葉班の集合写真

廣川班の集合写真


大岳山、生藤山などは見えるが、残念ながら富士山は良く見えなかった。寒いので記念写真を撮って20分で歩き始めた。奈良子峠に向かって歩くとしばらく雪解けの道になり泥で汚い。日陰の積雪量を確認しながら歩いた。高尾方面から来るのであろう登山者とすれ違いながら歩く。右手にベンチが見えると奈良子峠だ。ここから10分ほどで明王峠、誰もいなかった。ここまで歩いて積雪がないのを確認したので、下りは堂所山から山下屋コースを下ることに決めた。軽アイゼン講習をやるので、ザックの上の方に置いていただいた。底沢峠で山道を確認するが雪はほとんどない、4年間で初めての経験だ。少し登ると皆抜地に出る。4年間ですっかり伐採された。そしてどろどろの道になり、少し登ると景信山と堂所山の分岐になり左に進むと堂所山だ。

 

 

いざ軽アイゼンをはいて講習をしようとすると、みなさん、靴の泥で軽アイゼンが汚れるので装着したくないという。仕方がないので幹事が軽アイゼンの機能と歩き方、4種類のアイゼンを出して特徴を説明した。雪上を歩かずに軽アイゼン講習をやったのも初めてだ。さて、いよいよ山下屋コースに向かう。朝、渡した地図を見ていただき、どこから下るか左の斜面を観察しながら歩いていただく。実際にも、何もマークがなければ下降点がほとんどわからない。10分も歩くと遠目にも赤テープが見えてきた。近づくと「山笑(やまにこ)会」と記した竹片が目に入った。7日に設置したのだ。地面には「山下屋GO’S」と書いた道標があるのだが、位置が低くて目に入らない。結構急な下りなのだが、踏み跡はあるし、積雪はないし、スギに記した白ペンキがあるのでまずは迷わない。

軽アイゼンはね、こうやって使うんです

山下屋コースを下る


やせ尾根気味の山道を進むと、今度はピンクのテープを巻いたスギが左に続き。右にも登場する。ここには白テープを巻いて、「山下屋には右手」と黒マジックで書いておいた。下見で迷いそうになった地点だ。ゆっくり歩いたが、下りなれない方が少し遅れ気味だった。山笑(やまにこ)ハイキングに初参加の方は、下りのペースに驚いていた。山下屋が設置した最後の道標が目にはいると終点は近い。最後のジグザグを転ばないように注意して歩いていただき陣馬高原下のバス停に到着した。柔軟体操をして、1420分に解散した。バスは1425分に出るので急ぐ方はバスに乗っていただき、残りの方で山下屋で1525分まで振り返りとなった。実は先頭を歩く幹事としてはこの時間に下るのに腐心したのだった、とさりげなく書いておく。

参加者:19名

幹事:稲葉 力

スタッフ:廣川妙子、槙田幹夫