寒い、寒い真冬の戸倉二山を歩いて、瀬音の湯に入った。最後は、「魚鶴」で楽しく新年会、今年の「にこにこハイキング(中級)」の始まりだ!

 武蔵五日市駅9時発の数馬行きバスに乗車した。申し込み者が17人いたのだが、風邪等のキャンセルで3名欠席、結局、参加者14名で実施となった。バスに乗車したのはほとんどわれわれのグループだけだった。バス停には他に10名程のハイカーがいたのだが、9時前の藤倉行きバスに乗った。馬頭刈尾根に向かったのだろう。この日、前日の天気予報では晴れるが気温が低く風が冷たいとのことだったが、幸いなことに朝からやや温かかった。

 

 19日(水)の下見時には気温が低く、冷たい風が強く吹き、寒くて閉口した。森林インストラクター東京会の新年観察会があった112日から13日にかけて少し雨が降り、連日の低温もあって山の積雪と凍結が気になり14日に直前下見を行った。その結果、積雪はなく、山道の凍結もなく大いに安心した。

 

 

 余談だが、9時発の数馬行きバスは、檜原村役場から本来ならば南に向かうはずなのに、北に向かう。やすらぎの里まで行き、南に戻り本来のコースとなる。北にバスが向いたとたん、初めて乗った客は困惑し、運転手に質問することになるのだ。さて、乗車25分ほどで笹平バス停に着く。コース図を見てコースの概略を説明し、各自ウォーミングアップをして出発だ。15分ほど日陰の林道で寒い。林道に沿う沢の左側に廃屋のような建物が見えると道標が現れる。沢に下る木道は所々透けていて要注意、さらに木橋を渡ると登りの道に入る。


     林道から登山に入る下り(木橋を渡る)         市道山と臼杵山の中間の急な下り(上から見る)

 

 

 ここから山道で比較的急な登りが15分ほど続く。参加者に「15分間、急な山道を歩いて休憩です」と伝えて歩き始める。最初の登りなのでしっかり体調を把握していただく。10分過ぎると小高いピークの上が見え始め、間もなくそのピークに到着。休憩し、服装調整をしていただく。ここまでは温かく、1枚どころか2枚脱いだ方が多かったようだ。最後尾に着いたスタッフに中間付近に入ってもらう。小高いピークから30分程度比較的なだらかな山道が続く。左手には臼杵山(うすぎ)が見えてくる。前方には少しずつ市道(いちみち)山の上部が見えてくる。

 

 

 この時期、解説できる山野草がなく、コウヤボウキの綿帽子、道に落ちているツルウメモドキの黄色い殻などの説明をする。コル状の場所で休憩する。右手後方には醍醐丸、生藤山などが見えている。またやや急になり15分ほどで臼杵山、市道山の分岐に出る。右手に少し歩くと市道山の山頂だ。今熊山と武蔵五日市の市街地がきれいに見える。刈寄山(かりよせ)は少し隠れている。日が当たって温かったので10分休憩とした。山頂に立派な道標がある。この1~2年で東京都の山の山頂標識が統一され立派になっているのをご存じだろうか。

市道山と臼杵山の中間、一番急なりを下る(下から1

市道山と臼杵山の中間、一番急なりを下る(下から2)


 体が冷える前に臼杵山(うすぎ)に向かう。最初は緩やかで快適な下りだが、一カ所急な下りがある。ここで列はばらけた。ときどき待ちながら下る。下りきってしばらく歩き、休憩を兼ねてお花摘み時間とした。このコースは笹平バス停にもトイレがなく、コース中にもトイレがない。荷田子バス停までないのだ。高萱尾根までまた登る。ここで休憩。次の休憩で臼杵山の山頂となる。やや疲れた方が出てきたが、さすが(健脚向け)で体力、実力がわかっている方ばかりなのでバテる方はいない。

 

 ここからしばらくなだらかな歩行が続くが、最後の10分ほどは岩っぽいコースとなる。歩行時間3時間弱となるので疲れも出てくる。このコースでは最初の15分の登りと臼杵山の最後の15分がきつい登りといえるだろう。この日も臼杵山の山頂は寒かった。展望のある場所にはほとんど日が射さない。みなさん、日差しを求めて移動して固まって座ったので、動物園のサル山のようになってしまった。事前のメールで「寒いですよ」と連絡しておいたせいか、温かいカップ麺を食べている方が多かった。寒くて長く休憩できないので15分で山頂を切り上げた。

 

 

 山頂を少し下ると分岐がある。元郷バス停に向かうピークを巻く道なのだが、反対側には何の標識もない。元郷側に向かってピークに登り少し進むと小社があって、そこが臼杵神社だ。順番にお参りして荷田子行きの下りに入る。13時頃の急な下りだ。下る時間は短いが足をひっかけて転ばないように注意する。下りがほとんど終わる頃に、すぐ後ろを歩いていた女性が足をさすっているので聞くと、つりそうだという。それで68番を持っているというので飲んでいただいた。まあ、下りだから何とかなるでしょうと。

         臼杵山までもう一息

      グミ尾根の絶好の展望ポイント


 右手には今熊山、刈寄山と市街地が見える。左手には御前山、御岳山、日の出山、三室山などが見える絶景のポイントだ。先程の女性が足がつった、というのでスタッフに残り全員を連れて先を歩いてもらった。足がつったときは、つった箇所をさするのではなく揉むように叩くようにして少し休憩すれば大体回復する。以降、足を強く曲げないようにする意識も必要だ。この方は最近、にこにこハイキングに参加されるようになったのだが、登りも下りも大変早く山慣れしている感じで、間もなく回復された。右手の採石場を見ながら下ると、奥多摩登山詳細図に「ベンチ」と書いてあるベンチが見えてくる。すると左手には荷田子の白い独特の一本アーチの橋が見えてくる。新矢柄橋という。もう少し歩くと「戸倉山茱萸御前」と刻まれた石碑が登場する。「ぐみごぜん」と読む。ここまで来ると峠は近い。

 

 

 峠には予定より10分程度早く到着した。1435分発の武蔵五日市駅行きのバスに間に合うことがわかったので、直行する。駅に直行する方、蕎麦屋へ先行する方を見送って瀬音の湯に向かった。一緒に歩きながら、これまた最近参加されるようになった女性に聞くと、退職されてから毎年、3,000m級の北アルプスの山々に登るのが楽しみで、今回も体力養成が目的なのだそうだ。瀬音の湯に着いて、武蔵五日市の蕎麦屋に寄る方を確認してから温泉に入った。温泉を出て十里木15:38発のバスに乗り、東町バス停で途中下車。いつもの蕎麦屋で先行していた方々と合流して賑やかに新年会を行った。今年のにこにこハイキング(中級)の快調な始まりだ。

 

幹事:稲葉 力(報告)

スタッフ:廣川 妙子

臼杵山の山頂は寒かった

臼杵山から急な下りを下る、下る