浅間嶺の秋、目指すは「打ち立て蕎麦」と「天空の湯」 

2018年11月15日(木):快晴

リンドウ

急な斜面を登る面々


 にこにこハイキングでは毎年6月に浅間嶺で「クモキリソウを探そうハイキング」を実施している。「浅間尾根登山口バス停」から「数馬分岐」まで登り、浅間尾根を「時坂(とっさか)峠」まで行き、

「払沢の滝(ほっさわのたき)入口バス停」まで下るのだ。このコースは、現4名のスタッフが初めて揃って催行したにこにこハイキングの原点とも言える初級ハイキングコースだ。毎年、基本的な

コースはほぼ同じだが蕎麦屋を変えるなど趣向を凝らしたハイキングを行っている。コースを登り始め未だ車道を歩いている内に、実に気になる看板がある。「手打ちそば」「天空の湯」と書いてある「木庵」の看板だ。見ると建物や周りの風情も良い。ただ単にソバを食べには行かない主義のわたしには、これまでその機会がなかったが、昨年、コースを工夫して初めて天空の湯に入りソバを食べて気に入り、にこにこハイキングの中級に採用することにした。いつもと逆コースを歩くのだ。

 

 ついでだが、初めの年にお世話になった「そば処みち子」さん、店主もお歳で今年の11月で閉店するそうだ。来年即位される皇太子殿下も来店された(皇后さまと同じ名前の)人気店だが、寄る年波には勝てない。

 

 下見で5年振りに笹平バス停から歩き始めると、(中級者)にも実にタフなコースであることがわかった。但し、やや急な箇所はありながら、山好きに人気があるだけあって道は荒れておらず登りやすい。下見の日、われわれは武蔵五日市の初後亭(しょうご)に顔を出す予定で早めに歩いたのでそれも影響したのだろう。少し疲労を感じて松生山山頂に着くと通信エンジニアの団体がいた(山頂アンテナの保全?)。手彫りの味のある山頂札等の写真を撮って先を行く。ここから先は、紛れも

なく初級コースだ。スタッフは時々記録を撮って遅れるが、先頭を歩くわたしは気にせず先を歩く。こうして下見では「木庵」に14時に着いて、酒を飲みつつ、そばを食べて1453分の武蔵五日市

 

行きバスに乗ったのだ。

 

 今回の(中級)にこにこハイキングには14名の応募があった。帰宅してわたしは、参加予定者に足に自信のない方はご遠慮下さい、という意味を込めて「タフな登りでした」という下見報告を送ったが誰もキャンセルしない。それで、登りは(特に最初)ペースを落として登ることに決めた。

 

 やっと本番の記録となる。曇り一時晴れだった天気予報が、前日には快晴に変わり絶好の紅葉ハイキングとなった。武蔵五日市駅も天気がいいとハイカーが増える。まして紅葉シーズンだ。しかし、満員のバスを笹平バス停で降りるのはわれわれだけだった。一般コースになったかに書いているガイドブックもあるようだが、やはりバリエーションだと思う。GARMINのマップに出てくる登り口のコースは使えない。それより少し行って右手の斜面を登る登山口には標識も何もない。苔が生えたスロープを上がると畑になって道はない。参加者が「これって道ですか」と聞くから「登山道ではありません」と答える。

松生山からの富士山

御前山の先に鷹ノ巣山が見えた


  しかし、50m行くと踏み後のしっかりした山道に出て最初の標識が登場する。これが「最近道標を整備した」の実態であるらしい。しっかりした山道にでると今度はしっかりした急登となる。登りは1時間40分、急なのは最初だけだから、バテないように20分歩いて5分休憩で行きますと宣言する。20分歩くと緩斜面に出た、ここで休憩。ここまでは問題なし。次の登りは少し長く、休みやすい場所がなく30分歩いた。5分休憩を宣言して後ろを見ると、最後尾にいるスタッフの姿が見えない。少し下ってスタッフに聞いて見ると、お一人、足がつりそうになったというので、ご自分で持参した68番を飲んで頂き様子をみていて時間がかかったとわかった。スタッフと相談すると、普段歩いている方なのでゆっくりなら歩けるでしょうというので、スタッフがサポートして、遅れつつも同じコースを歩くこととした。他にもゆっくり希望者は?と伺ったが手は挙がらなかった。流石の中級組、精鋭ぞろいだ。

 

 

  手作りの「内蔵ノ介」標識に着いた。まだまだ登りは続く。松生山のコースは「払沢(ほっさわ)ノ峰」までは登りが続く。払沢ノ峰に着くと左手に富士山が見えるし、松生山も浅間嶺も見えてほっとする。ここまで約2時間だ。緩くなった斜面を約30分歩くとやっと松生山だ。誰もいない。皆さん目前に広がる富士山の雄姿に感激し、温かい陽気の中で軽食を食べていた。常連さんの顔なじみも増えて和やかな雰囲気だ。御前山が見えて、その後ろに鷹ノ巣山も見えた。後続とはショートメールで連絡を取り合う。10分休憩で浅間嶺に向かう。紅葉の中を下りきった処に「松生山」への標識がある。思えば、初めてこの標識を見た日に「松生山に登りたい」と思ったのだ。右に行けば「時坂(とっさか)」、左に行けば浅間嶺だ。松生山からは約30分だ。

 

  浅間嶺の展望台からも富士山が見えたが、実は富士山が見えることはまれだ。開けた方の御前山、大岳山の眺めに気をとられ、山頂標の後ろに見える富士山に気付かぬ人もいる。休憩所に下る。ここでトイレ、軽食休憩とした。ここまで来ると時間が確実に読める。2時間弱で「木庵」に着く。スマホでそばを食べる人数と時間を伝えた。そばを打つのに時間がかかるので、連絡することにしていた。この日は休憩所には先客が5名ほどいたが、通常は人数が多くてトイレに時間がかかることがある。そこから少し上がった地点の本当の浅間嶺山頂には、本日は寄りませんと宣言し了解をいただく。次のポイントは「人里(へんぼり)峠」で途中、右手に樹木をすべて伐採して御前山と馬頭刈尾根の展望が良い場所がある。まさに錦秋の山並みがまぶしかった。すぐ後ろを歩く女性にペースを聞くと、大丈夫だというので、なだらかな道では少々ペースをあげて歩いた。 

 

 次のポイントは浅間石宮だ。天狗の腰掛け杉のように大きく曲がった枝を持つモミの大木があったのだが、近年、その枝が折れてしまった。そして一本杉(松とも)、さらにサル石。サル石ではいつも参加者に「巨岩にサルの手形が見えますか」と聞くのだが、毎回、誰もわからない。サル石を過ぎるとイチヤクソウの群落ポイントがあるので、場所を説明する。常緑なので光沢のある赤味を帯びた葉が見られた。ここまで来ると数馬分岐が近い。数馬分岐に14:40とほぼ予定通りに着き、また「木庵」に「今から20分で着きます」と連絡したが、疲労がでる魔の時間帯の下りでやや時間がかかった。しかし、せかすことはしない。途中、クモキリソウのポイントがあるので説明する。ポイント、ポイントで後続のスタッフからはショートメールが入る。遅れながらも、元気について来ていたので安心した。

 

 15時過ぎに「木庵」到着。16時には「木庵」を出発しますと宣言した。(浅間尾根登山口バス停まで舗装路を10分程歩かなければならない。)1時間、田舎風の太めながらつるりとのど越しの良く香り高い「手打ちソバ」と希望者に「天空の湯」を楽しんでいただいた。「今まで食べた内で一番美味しかった」と言う方もあり、大変好評で嬉しいことだった。遅れて後続も登場し合流した。1613分に来たバスは空席が2~3席しかなかった。まだ檜原村の山は紅葉で混んでいるようだ。みなさん立つ羽目になったが、このバスは途中でさらに混んで到着が遅れた。17時過ぎ武蔵五日市駅に着いて、一番星を見上げての解散となった。

 

参加者:14名

幹事:稲葉(報告)

スタッフ:廣川